嶺里 ボーのkindle小説「龍馬はん」のご紹介です。
慶応3年11月15日(1867年12月10日)、近江屋で坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された当日、真っ先に斬り殺された元力士・藤吉。
その藤吉の眼を通して映し出された、天衣無縫で威風堂々とした坂本龍馬を中心に、新撰組副隊長・土方歳三の苦悩と抵抗、「龍馬を斬った男」と言われる佐々木只三郎、今井治郎の武士としての気概など、幕末の志士達の巡り合わせが織り成す、生命力溢れる物語は、現実味が薄くて、古ぼけた幕末史とはまったくの別物。たった150年前に、間違いなく生きていた人々を鮮やかに、そして爽やかに捉えています。
現代語られる龍馬暗殺を根本から、そして正面から問い直す問題作であり、藤吉の作る料理”ぶぶ漬け”を、つい試したくなってしまう、グルメも含んだ異色作。
その上、”ええじゃないか”で沸き立つ幕末の町民達や、藤吉のいいなずけ・お民とのほのかで豊かな愛情、幼い丁稚・吉松の夢など、様々なドラマが、生き生きと描き出された娯楽作。
他にも明治維新の立役者、岡本八郎こと由利公正、長岡謙吉、岡本健三郎などが脇を固め、新政府綱領八策を思案する龍馬の面白エピソードや、”あるべき経済”を思案する龍馬の先見性など、息もつかせぬ展開から目が離せない!
つまりこの小説、歴史モノにして、経済・社会モノにして、ヒューマンドラマにして、究極のラブストーリー。
倒幕、維新の立役者として名高い坂本龍馬・中岡慎太郎の陰で、ひっそりと20年の命を閉じた藤吉に眩しいほどのスポットを当て、涙や感動・笑いやほのぼのなどをいっぱい詰めた、ボーならではのユニークで豪快な一作です。
折しも坂本龍馬没後150年。2017年の今、もう一度当時を見直し、幕末の20歳を身近に感じてみてください。